尿で?血液で? ガンがわかる(かもしれない)スクリーニング検査の是非。

尿で?血液で? ガンがわかる(かもしれない)スクリーニング検査の是非。

サイト更新再開後のネタ、2番目がコレ。
「なんかー。臼井総理ってー、社会派気取ろうってんですかー?」
というセケンの声が聞こえてくるような来ないような気もするが、たぶん幻聴。そう、このサイトは半分自分用のメモみたいなものなのだ!
だから、わかんないことも適当に調べて、自分として納得のいく程度にまとめておけばいいやってな感じでやってますんで、そこんとこ、ヨロシク。

というわけで今回は、ちょっと前にテレビ東京のガイアの夜明けだかワールドビジネスサテライトだかで話題になった

尿でガンがわかるサービス

についてまとめておきたい。

■エヌノーズ(元々日本語ドメインのため表示がアレなのはご勘弁)
http://xn--icktbzci4u.com/

↑これです。話題のヤツ。線虫という微生物(という表現でいいのかな)を使って、ガンに冒されているかどうかを判別するのだという。
尿一滴で、ガンの一次スクリーニングができるというもの。
一次スクリーニング=「ガンがあるかないか」を判別する、ということらしいのだが、

●安くて
●簡単に
●ガンのありなしがわかる

一方で、

●確率が低い(9割にも満たない)
●偽陽性、偽陰性の可能性もそれなりにある
●すべてのガンに対応しているわけではない
●どのガンにかかっているか(可能性が高いか?)はわからない

という欠点も抱えている。

テレビでの紹介ぶりや、その後のネット上における盛り上がりなどをみると「ガンは早期発見が大事。そのために役立ちそうだしいいのでは」というトーンで語る方が多いようだ。

しかし一方で、医療関係者を名乗る方々のSNSアカウント、ブログ等では、確率が低い上に、誤認も多いものを使われても、医療現場が混乱するだけだということを主張する方も見られる。

確かに、9割(程度。N-NOSEサイトには「 線虫が見分ける感度は86.8%(2019年9月現在)」と書いてある)の確率で判別するとしても、1割「も」こぼれる、または誤認する可能性があるわけだ。これは、日本人の半分はガンで亡くなる、なんていう規模感から考えると、ちょっとあり得ないレベルで「ガンじゃなかったのにガンだと言われる人」「ガンだったのにガンと言われなかった人」を生み出すことになるのだ。

「可能性が高い、というだけでも別にいいじゃないか。そこから調べて何もなければそれでよいのでは」

というのも一理あるのだが、医療関係者と思しき方々の発言を追うと、「そんなのにすべて対応刷ることは不可能」ということらしい。現状のがん検診をきちんと受けて、現状の標準的な医療で対応するのが、今のところはベターだという。

さらにこんな情報も出た。こちらは「血液」でガンがわかるというもの。

■東芝、血液1滴でがん13種を精度99%・2時間以内に検出
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/112500107/

先に紹介したN-NOSE(エヌノーズ)が2020年、今年から実用化されたのに対し、こちらの技術は今年から実証実験が始まるというもの。血液中に含まれる「マイクロRNA」と呼ばれる分子を調べることで、ガンを検出するのだそうだ。

こちらも今のところは「一次スクリーニング」用で、どのガンか、まではわからないようなのだが、将来的にはガン種別の判別もできるようにしたいとのこと。

N-NOSEとの最大の違いは「精度99%」という点。99%であってもまだまだ不足なのだろうが、85~6%に比べればはるかに正確。取りこぼしや誤認はより少なくなる。

マイクロRNA方式(勝手に名付けた)については、そんなにネットでギャーギャーいわれているのを見ていない。N-NOSEについての話題が多いのは、テレビでひんぱんに採り上げられていることも大きいのだろう。

「技術は開発しなくては発展しない。使わなくては、お金も回らない。可能性を潰すようなことは言うな」

という声と、

「技術を開発するのは構わないが、中途半端な状態で医療現場に適用すべきではない」

という声。

どちらにも一理ありそうで、悩ましい。
臼井総理個人としては、不安を煽られるだけのような気もするので、N-NOSEは使わないかな…いまのところは。もっともっと精度を上げる開発を頑張ってほしいところだ。

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